シフトの組み方はどうすれば効率的？
作成時の注意点や代表的なツールも解説

スムーズにシフトをスムーズに組むための3ステップ

シフトのスムーズな作成には、必要なスタッフ数を割り出したうえで、スタッフからの希望シフトを早めに集めておく必要があります。ここでは、シフトをスムーズに作成するための3つのステップを解説します。

ステップ1
必要なスタッフの数を計算する

同じ店舗でも、時間帯や曜日、時期などによって、必要なスタッフ数は異なります。
シフトを組む際には、まず各シフトで必要な人数を割り出し、一覧を作成しておきましょう。
お客さまが多い時間帯や繁忙期はスタッフを多めにし、それ以外の時間帯や閑散期は少なめにするなど、状況に応じた人数調整を行います。
また、イベント開催時なども客数が多くなる可能性があるため、営業日ごとに必要な人数を算出しておきます。
その際には、過去のデータを利用すると便利です。来客数や売上のデータから、各営業日に応じた人数を割り出します。

人数も重要ですが、能力や経験、担当や得意な業務の考慮もポイントです。
時間帯により、求められる能力が異なるケースもあるでしょう。ベテラン・中堅・新人をバランスよく配置し、それぞれの担当、あるいは、得意な業務も押さえたうえで配置する必要があります。
必要に応じて、新人1人に対してベテランや中堅社員が何人必要なのかなども割り出しておくと、よりシフトの作成がスムーズです。
スタッフ数の計算には、必要な人数の確保はもちろん、必要以上の人数をシフトに入れない目的もあります。
サービスの質を落とさず、同時に、人件費も無駄にならないような編成を心がけるのがポイントです。

ステップ2
スタッフからの希望シフトを早めに集めておく

シフトがスムーズに作成できない大きな原因の一つは、スタッフからの希望シフトがなかなか揃わない点です。
スタッフの希望シフトは、早めに集めておく必要があります。
全員の提出のタイミングが早いほど、店長や管理者は余裕をもって調整できるでしょう。
アルバイトの多くは常に仕事のことばかり考えているとは限りません。
提出を忘れがちな人への配慮として、適切なタイミングで、シフトの希望を提出するよう声をかけましょう。
シフトの提出締切日を設けておく必要もありますが、その際には、特定の曜日や日にちなどに固定しておくと忘れにくくなります。
中途半端ではなく、キリのよい日にちにしておくのもポイントです。

学生や主婦などのアルバイトは、仕事が本業ではないため、時期やタイミングによってシフトに入りにくいケースが出てきます。
シフトに入りにくい時期などはアルバイトごとに異なるので要注意です。
各スタッフの特徴や本業、バイト以外の生活パターンなどもできるだけ把握しておきます。
各情報を早めにキャッチしておけば、それらを考慮してシフトの調整へと臨めるでしょう。
状況に応じて単発のアルバイトを利用するなどの対応もしやすくなります。

ステップ3
希望のシフトを元に調整と確認を行う

各スタッフの希望シフトがある程度集まったら、最初のステップで作成した営業日ごとに必要な人数の一覧と照らし合わせて、スタッフを割り振っていきます。
最初から厳格に割り振る必要はありません。最初の段階では仮シフトとし、スタッフの偏りはあまり気にせずに割り振りをしましょう。
仮シフトがある程度定まったら、日によってスタッフの能力や経験、得意な業務内容などに偏りがないかを確認します。
偏りがある場合は、提出された希望シフトをもとに、スタッフを入れ替えるなどして対応ができるかどうかを模索します。
それでも偏りの修正が難しい場合は、当該スタッフに対して、出勤日や出勤時間の変更が可能か交渉を行いましょう。最終的に調整がつかず、人数や経験などが足りない日があれば、単発のアルバイトや他店からのヘルプなどを検討します。

急な欠勤や遅刻の多いスタッフがいる場合には、そのような事態になっても対応できるよう、人数を増やしておくなどの対策をしておきます。
また、教育したい新人がいる場合には、教育係となるスタッフとできるだけ出勤日時が重なるような調整をすることも必要です。
こうした調整もすべて完了したら、スタッフへの通達前に最終チェックを行います。スタッフの偏りだけではなく、労働時間や出勤日数などが労働基準法に違反していないかといった観点での確認も不可欠です。
休憩時間のタイミングで人員不足とならないかなども確認し、必要であれば再調整と再確認を行います。【シフト管理におすすめ】スマレジ・タイムカードのシフト管理機能

シフトを作成するときの注意点

シフトの作成時には、基本的な流れを押さえること以外にも注意点があります。特に、公平なシフトかどうかの確認や、スタッフ同士の人間関係への配慮などは重要です。ここでは、シフト作成時の代表的な注意点を解説します。

1.できるだけ公平なシフトを意識する

スタッフにとって、できるだけ公平なシフトになっているのが理想です。
スタッフごとに負荷の程度が異なるシフトとなっている場合は、見直さなければいけません。
例えば、忙しい時間帯や早番・遅番など希望者が比較的少ないところに毎回同じスタッフが入っているケースなどが挙げられます。
スタッフごとに希望の通り具合に差が生じている状況も避けたいところです。特定のスタッフの希望をとりわけ優先したシフトが続けば、他のスタッフのモチベーションが下がる恐れがあります。
モチベーションの低下は仕事の質の劣化にもつながりかねないため注意が必要です。

完璧なシフトの作成は容易ではありません。しかし、できるだけ満遍なくスタッフの希望を取り入れる努力は不可欠です。
今月負担をかけてしまったスタッフは、来月は少し負担を和らげるなどの対応も含め、公平なシフトを意識しましょう。

2.スタッフ同士の人間関係にも気を配る

時間帯や業務が重なるスタッフ同士の関係性も考慮したいところです。
同じ店舗で働くすべてのスタッフの仲がよいというわけではありません。
年齢や性別、社会的背景の違いによる、性格や考え方の不一致を避けるのは困難です。
あまり人間関係のよくないスタッフ同士を頻繁に同じ時間帯や業務で働かせると、職場全体の雰囲気が悪くなる恐れもあります。

スタッフの組み合わせによっては、業務中にトラブルへと発展するリスクもあるでしょう。
不仲であることが職場内で認識されていれば、周囲のスタッフも気を遣ってしまいます。
それが、全体の業務効率の低下へとつながりかねません。
繁忙期や他に出勤できるスタッフがいないなど人員が足りないときは仕方がないものの、シフト作成時には、できるだけ人間関係にも気を配る必要があります。

3.少し余裕のあるシフトを組む

必要最低限のスタッフで回した方が、人件費の節約にはなります。
しかし、経費の削減のみを重視してスタッフ数を限定してしまうと、業務や運営に支障をきたすリスクが出てきます。
急な来客やトラブルへの対応が難しかったり、スタッフの休憩時間が確保できなかったりするなどの事態となる可能性が出てくるでしょう。
人手不足の業界では、人員的に常に余裕のあるシフトを組むのは現実的ではありません。

とはいえ、最低限の人数のみで構成されたシフトでは、問題が起きた際にスタッフに過剰な負荷をかけ、不満の噴出へとつながる恐れもあります。
経費の削減を重視したシフトを作成した結果、適切な店舗運営ができなければ本末転倒です。
業務量を正確に把握したうえで、それを超える業務が急に必要になった場合でも対応できるよう、少しゆとりのあるシフトを組んでおきましょう。

シフト作成に使用する代表的なツールは？

シフト作成に使用する代表的なツールには「Excel」と「勤怠管理システム」があります。ここでは、それぞれのメリットとデメリットについて解説します。

1.Excel

表計算ソフトである「Excel」は、シフト表の作成にも適したツールです。
操作が簡単なうえ、インターネット上の情報も充実しており、必要な情報をすぐに入手・活用できます。
また、多くのPCにはインストール済みで新規でのソフト購入が基本的に不要になるため、ツールの用意にお金がかからない点もメリットです。
シフト作成が必要になった際には、すぐに使い始められます。手書きよりも作業時間が削減でき、他のツールとの連携も可能です。

一方で、効率的なシフト表の作成には、より高度な関数の知識が必要な点はデメリットとなるでしょう。
シフト表を変更する場合には、その都度作成し直す必要があり、手間がかかる点もデメリットです。

2.勤怠管理システム

勤怠管理システムに実装済みのシフト管理機能の活用により、効率的なシフト作成が可能です。
Excelと比べてシフト一覧が作りやすい点もメリットでしょう。
Excelはフォーマットを一から作成する必要がありますが、勤怠管理システムであれば、ある程度自動的にシフト表が作成できます。
スタッフから希望が提出されれば、即座にシフト表へと反映させられます。

誰が見ても認識しやすいシフト表の作成が可能な点も、勤怠管理システムのメリットです。
Excelは文字サイズや色使いなど、作成者のセンスや能力によりシフト表の仕上がりが変わります。
デザインによっては見づらくなり、スタッフが出勤日を間違う可能性も否定できません。
勤怠管理システムは視認性の高いレイアウトになるよう考慮されているため、Excelのような事態は招きにくいでしょう。

勤怠管理システムのデメリットは、システムによって月額費用や購入のコストがかかる点です。
ただ、利便性の高さや視認性のよさに費用を支払うという観点からいえば、必ずしもデメリットとはなりません。
あくまでも、標準装備であることの多いExcelと比較した際のマイナス点となります。
費やしたコスト以上のパフォーマンスは期待できるでしょう。