従業員がタイムカードを押し忘れたら?
押し忘れの対策方法もご紹介
「タイムカードの押し忘れが頻発して困っている」という人事や総務の担当者の人もいるのではないでしょうか。タイムカードの押し忘れが発生すると労働時間が正確に把握できなくなるため、対策を考えておかなければなりません。
本記事では、従業員がタイムカードを押し忘れたときの対処法や、押し忘れを防ぐための対策を紹介します。勤怠管理にお悩みの担当者の人は、ぜひチェックしてみてください。
タイムカードを押し忘れたときの対処法
従業員がタイムカードを押し忘れたとき、対応によっては違法となってしまうので注意してください。タイムカードの押し忘れに対応するときは、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 押し忘れを欠勤扱いにするのは違法
- ナルティを課す・始末書の提出を求めることはできる
- 出勤や退勤時間を手書きで記入するのも問題ない
それぞれのポイントについて、以下で詳しくみていきましょう。
押し忘れを欠勤扱いにするのは違法
タイムカードの押し忘れを欠勤扱いにしている職場もあるかもしれませんが、それは違法です。タイムカードは労働時間を把握するためのツールにすぎず、実際には従業員が労働しているのに給与を支払わないのは労働基準法に違反します。
労働基準法第24条によって、「賃金は労働者に全額支払わなければならない」と定められています。タイムカードの押し忘れがあっても、従業員が会社に労働力を提供した分はしっかり給与を支払わなければなりません。
また、労働安全衛生法第66条では、「事業者は労働者の労働時間を把握しなければならない」とされていて、労働時間の把握はあくまでも企業側に責任があります。従業員がタイムカードを押し忘れたからといって欠勤扱いにするのは、労働時間の把握義務を果たしていないことになってしまいます。
ペナルティを課す・始末書の提出を求めることはできる
タイムカードの押し忘れを欠勤と見なすことはできませんが、ペナルティを課したり始末書の提出を求めたりすることは可能です。再発防止や押し忘れ防止のために、ペナルティや始末書などの対応を求めるのは違法ではありません。
ただし、ペナルティとして減給を行う場合は、金額に注意してください。労働基準法第91条では、「1回の減給額が1日分の平均賃金の半分を超えてはならない」と定められています。「減給総額が月給の10分の1を超えてはならない」とも定められているので、減給額が違法にならないよう気をつけなければなりません。
また、タイムカードの押し忘れに対してペナルティを課す場合は、就業規則にその旨を明記し、従業員に周知しておくようにしましょう。
出勤や退勤時間を手書きで記入するのも問題ない
タイムカードの押し忘れが発生した場合、出勤退勤の時間を手書きで記入するのは問題ありません。ただし、上長に報告して許可を得たうえで、従業員本人が記入することを徹底しましょう。他人が代わりに記入したり、上長の許可を得ずに手書きしたりするのを認めると、時刻の改ざんなどが横行してしまう可能性があります。
また、タイムカードに時刻を手書きする場合は、部署やチームの従業員に当日の勤務時間の事実確認をするのも大切です。そのほか、パソコンのログや入退室履歴を確認するのも有効です。手書きでは自由に時刻を記入できてしまうので、正しい時刻が記載されているか確認しなければなりません。
そもそもタイムカードの押し忘れが起こる理由とは
そもそも、なぜタイムカードの押し忘れが起こってしまうのでしょうか。タイムカードを押し忘れてしまう理由として、以下が考えられます。
- 打刻機の場所が分かりにくい
- 打刻する習慣がない
- 打刻に手間がかかる
視界に入りにくい場所や、席に着くまでに遠回りしなければならない場所に打刻機があると、タイムカードの押し忘れが頻発する可能性があります。
従業員に打刻する習慣がないのも、タイムカードの押し忘れが発生する原因です。ペナルティなどがない場合、「打刻しなくても問題ない」と思っている従業員もいるかもしれません。
打刻が完了するまでに複数の操作が必要など、手間がかかるケースも原因として考えられます。急いでいたり打刻機が混雑していたりすると、打刻を後回しにしてそのまま忘れてしまう人もいるでしょう。
タイムカードの押し忘れを防ぐ方法
「なるべく従業員にペナルティを課すのは避けたい」と思っている人も多いでしょう。ペナルティ以外でタイムカードの押し忘れを防ぐ方法として、以下のような方法があります。
- 打刻機を見やすい場所に設置する
- 従業員同士で確認し合う体制を整える
- アラームや貼り紙などリマインダーを表示する
- 勤怠管理システムを活用する
それぞれの方法について、以下で詳しく解説します。
打刻機を見やすい場所に設置する
打刻機の場所が分かりにくいのが原因となっている場合、打刻機を見やすい場所に設置するとタイムカードの押し忘れを減らす効果が期待できます。職場の出入り口や、更衣室から執務室への通路など、出退勤のときに必ず通る場所に設置すると効果的です。
出退勤のときに打刻機が自然と目に入れば、タイムカードの押し忘れは減るでしょう。他の人が打刻している姿も目に入りやすくなるので、タイムカードの存在を思い出しやすくなる効果もあります。
打刻機の場所を変えるだけで新しいシステムやルールを導入するわけではないので、今すぐに実践できる対処法のひとつです。
従業員同士で確認し合う体制を整える
いくら気をつけていても、打刻を忘れてしまうことはあるでしょう。そこで、従業員同士でタイムカードを押し忘れていないかを確認し合う体制をつくるのも効果的です。例えば、部署ごとにひとりの担当者を決めて、毎朝チェックするルールをつくれば押し忘れを防げます。
担当者を固定すると従業員の負担になる可能性があるので、一定期間で持ち回りとするのもよいでしょう。人事や総務の担当者が注意喚起するのも効果はありますが、部署内で毎朝チェックするようにすると、より効果が期待できます。
アラームや貼り紙などリマインダーを表示する
リマインダーを表示するのも、タイムカードの押し忘れに効果があります。会社としてできるリマインダーとしては、社内の目に入りやすい場所に貼り紙をすることです。更衣室や出入り口付近など、多くの従業員が通る場所に目立つよう貼り紙を掲示しておきましょう。
従業員のスマホやパソコンに、アラームやリマインダー設定を入れるようにお願いするという方法もあります。スマホやパソコンにリマインダーが表示されれば、より打刻を忘れにくくなるはずです。
勤怠管理システムを活用する
ここまではタイムカードを使用する前提の対処法でしたが、パソコンやスマホで出退勤時刻を管理する、勤怠管理システムを活用するという方法もあります。勤怠管理システムならそれぞれのスマホやパソコンから打刻ができるので、打刻機を設置する必要がありません。
打刻忘れを防ぐアラート機能があるものや、スマホのGPS機能で職場に入ると自動的に打刻されるものもあり、打刻忘れを防ぐための便利な機能が備わっています。
勤怠管理システムは従業員が便利になるだけでなく、労働時間の集計が楽に行えるようになるなど、人事や総務の担当者にとってもメリットの多いツールです。タイムカードの押し忘れが多い場合は、勤怠管理の仕組みから見直してみるのもひとつの方法です。
タイムカードの押し忘れ防止には打刻のシステム化がおすすめ!
タイムカードの押し忘れを防ぐには、打刻機の場所を工夫したり従業員同士で確認し合ったり、すぐに実践できる方法がいくつかあります。正しく労働時間を管理するために、タイムカードの押し忘れを最小限にする対策を実施しましょう。
タイムカードでの勤怠管理に手間を感じている場合は、勤怠管理システムの導入がおすすめです。クラウド勤怠管理システムの「スマレジ・タイムカード」は、パソコンやスマホから勤怠入力が可能です。従業員の打刻状況を一覧で表示する機能もあるので、担当者の勤怠管理も楽になります。ぜひ活用してみてください。
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