手書き出勤簿の作成方法は?
注意点やおすすめの勤怠管理ツールを紹介
企業にとって勤怠管理はもちろんのこと、出勤簿の作成や管理は大切です。
近年では勤怠管理システムなどのWebツールを利用する企業が増えましたが、小規模企業や店舗では手書きの出勤簿を使用しているケースがまだまだ多い印象です。
当記事では、手書き出勤簿を検討している人に向け、手書き出勤簿の作成方法と注意点、またおすすめの勤怠管理ツールを紹介します。
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出勤簿は何のためにあるの?
出勤簿は法定帳簿として従業員の労働時間を管理するためにあります。
企業は労働基準法を順守する必要があり、遅刻や欠勤や残業の有無などを勤怠管理によって正確に把握しなければなりません。
企業は原則として日に8時間、週に40時間を超えての労働をさせてはいけないというルールがあり、労働時間6時間に対して45分以上の休憩を与えることも義務付けられています。
よって出勤簿を管理することは企業の義務であり、万が一出勤簿を5年以内(当面は3年)に廃棄または紛失してしまうと労働基準法第120条に基づいて30万円以下の罰金といったペナルティが課せられる可能性があります。
場合によっては社会的信用を失う結果にもなりかねませんので、注意しましょう。
出勤簿の保存義務
労働基準法では、出勤簿・労働者名簿・賃金台帳など労働関係の重要な書類の保存を義務付けています。前述のとおり、保存期間は5年間です。
2020年4月に労働基準法の改正が行われ、出勤簿の保存期間が3年から5年に延長されました。経過措置として当面の間は3年でも問題ないとされていますが、あくまで経過措置のため、トラブルを防ぐために5年前までの出勤簿を残しておくようにしてください。
手書きの管理は違法ではない
出勤簿を手書きで管理することは違法ではありませんが、手書き管理は客観的な記録とは言えず国は推奨していません。
手書きの出勤簿は、従業員などが自由に改ざんをすることが可能なため、労務管理者が従業員の正しい労働時間を管理することが不可能な点もデメリットといえます。
一方でデジタルの打刻であれば改ざんが困難なので、正しい労働時間を管理することができます。なお、ここで言うデジタルの打刻とは、ICカードへの打刻やPC、タブレットなどを使用した勤怠管理システムの打刻を指します。
手書きのタイムカード/勤怠表のメリット
従業員100人未満の少ない企業では部署の構成人数が10名未満になることも多く、手書き出勤簿であっても集計や管理が簡単なため、利用している企業も少なくはありません。
このような少人数の企業では勤怠ソフトや勤怠管理システムを導入すると手書き以上にコストがかかることもあるので、コスト面からみても手書きがベストといえます。
ただし、手書きのタイムカードには使用する上で注意しなければならない点がいくつかあります。
次項では手書きタイムカードを使用した上でのデメリットを確認していきます。
手書きのタイムカード/勤怠表のデメリット
手書きのタイムカードは小規模の企業では導入コストがデジタル打刻などに比べて容易なため、好まれる傾向にあります。ただし、管理面で懸念点が多いため、よく検討した上で利用を進めるべきです。
手書きのタイムカードを導入する際の注意点をそれぞれ解説していきます。
鉛筆はNG!改ざんリスクがある
手書きタイムカードを記入する上で鉛筆を使用しているという企業もありますが、これはNGです。
企業にもよりますが、鉛筆で日付や時間を記入し、印鑑を押すことで勤怠表を管理しているというところが現代でもあります。しかし、鉛筆での記入は従業員が時間をごまかして記入することが容易にできてしまうため、正しい労働時間を把握できない可能性が高いです。
ボールペンなど消えないインクペンを使用すればある程度リスクは軽減されるものの、手書きは総じて改ざんのリスクがあるので注意しておかねばなりません。
打刻ミスの修正に手間がかかる
手書きの出勤簿には打刻ミスの修正に手間がかかるというデメリットがあります。
デジタル打刻の場合は修正に関しても簡潔に終わらせることができますが、手書きの場合は修正時に本人確認や上司確認を行ったり、印鑑を押したり二重線を加えるなど対応が面倒です。
印鑑は必ずしも必要ではありませんが、差し引いても手間がかかる点は否めません。
テレワークに対応しづらい
近年は新型コロナウイルスや働き方改革などの影響などもあり、テレワークを導入する企業も少なくはありません。手書きの出勤簿は従業員が自ら記入することを想定していることが多いため、テレワークへの対応が疎かになってしまいます。
この場合は紙の出勤簿を誰がどのように管理するかが問題視されるため、テレワークに関しては不向きだといえるでしょう。
保存・管理がしづらい
保存や保管がしづらい点も手書き出勤簿のデメリットです。
企業は出勤簿を保存することが労働基準法で定められているため、保管をしておかなければなりません。
紙ベースの出勤簿はデジタル打刻などシステムでの出勤簿管理と異なり、かさばるので保存場所に困りますし、探すのが手間といった理由からおすすめはできません。
手書き出勤簿の書き方例
手書き出勤簿を作成する場合、以下の記載項目をしっかりと書き込む必要があります。
(出勤簿に記載するべき項目)
- 各労働者の出勤日と労働日数
- 出社、退社時間
- 1日ごとの労働時間数
- 時間外労働を行った日付、時刻、時間数
- 休日労働を行った日付、時刻、時間数
- 22時から翌5時までの深夜労働を日付、時刻、時間数
書き方の詳細に関しては別記事のほうで具体的に紹介しているので、そちらをご参照ください。
【エクセル】出勤簿のテンプレート
手書きで記入できる出勤簿は、インターネット上に多くのテンプレートが公開されています。「出勤簿の様式を新しくしたい」「新しく店舗をオープンするので出勤簿を作らないといけない」といった場合は、わかりやすいテンプレートを活用しましょう。
ここでは、「基本型(21日始め)」「詳細型」「1ヶ月のシンプルな出勤簿」の3つについて、エクセルで作成するおすすめのテンプレートを紹介します。
基本型(21日始め)
基本型は、勤務時間・残業・遅刻・早退などを記入するシンプルなテンプレートです。残業は、通常残業・深夜残業・早朝残業の3項目が用意されています。印刷して手書きするほか、エクセルで作成しているので従業員がそれぞれのパソコンで入力する方法もあります。
20日締めの出勤簿で、当月21日から翌月20日までの出勤が記録できるテンプレートです。締日が異なる場合は、こちらのテンプレートを参考に、自社の締日に応じた出勤簿を作成してみましょう。
基本型(21日始め)のテンプレートはこちら
詳細型
詳細型は、項目を細分化したテンプレートです。始業時間・終業時間・休憩時間がそれぞれ入力できるようになっていて、毎日の労働時間の記入欄も用意されています。
集計する項目としては、出勤・欠勤日数、普通労働時間、時間外労働時間に加えて、早退・遅刻回数や有給取得回数などもあり、その月の労働状況を詳細に管理できます。
こちらは1日始めで、1ヶ月分の出勤が記録できるテンプレートです。集計項目などは、ダウンロード後に必要に応じてカスタマイズしてみてください。
詳細型のテンプレートはこちら
1ヶ月のシンプルな出勤簿
1ヶ月間の出退勤を記入していく簡易的なテンプレートです。「01」「02」「03」の3つがあり、それぞれ以下の項目が用意されています。
01:始業時間・終業時間・通常残業時間・深夜残業時間・備考
02:始業時間・終業時間・休憩時間・実働時間・残業時間・備考
03:出社時間・退社時間・通常残業時間・深夜残業時間・休日労働時間・遅刻早退・備考・承認
01と02は欄外に押印欄があり、03は押印欄の代わりに「承認」という項目があります。自社に合ったものを選んでみてください。
いずれも年度のセルに年月日を入力すると日付と曜日が自動で入力されるようになっているので、毎月の出勤簿作成が楽にできます。
1ヶ月のシンプルな出勤簿のテンプレートはこちら
簡単で便利!従業員の労働時間は勤怠管理システムで管理できる
さまざまな事情で手書きの出勤簿を利用している職場もあるかと思いますが、先ほど紹介したとおり、手書きの出勤簿には多くのデメリットがあります。勤怠管理システムによる労働時間の管理は簡単で便利なので、ぜひ導入を検討してみてください。
ここでは、勤怠管理システムの概要とおすすめする理由を紹介します。
勤怠管理システムとは?
勤怠管理システムとは、出退勤時刻や時間外労働時間、有給休暇など、出勤簿に記録する情報をパソコン上で管理するためのシステムです。出退勤の打刻がパソコンやスマートフォンから行えたり、毎月の労働時間が自動で集計されたりと、便利な機能が多く備わっています。テレワーク対応や勤怠管理にかかる業務負荷の軽減のために、多くの企業で導入されています。
導入コストが課題で、勤怠管理システムを導入していない職場もあるかもしれません。しかし、近年では導入が簡単かつ低コストで利用できる勤怠システム・アプリも登場しており、小規模な企業や店舗でも活用が進んでいます。
出勤簿に勤怠管理システムがおすすめな理由
出勤簿に勤怠管理システムがおすすめなのは、手書き出勤簿のデメリットの多くを解消できるためです。
例えば、出退勤の不正防止機能が備わった勤怠管理システムなら、不正な打刻や改ざんを防げます。パソコンやスマートフォンから打刻できるので、テレワーク対応も可能です。
勤怠管理データはシステム上に保存されるため、物理的に紛失する心配がありません。バックアップの取得やクラウドサービスを利用しておけば、パソコン自体が故障・紛失してもデータは守られます。
このように、勤怠管理システムで出勤簿をデータとして管理・保存しておくと、さまざまなメリットがあります。
無料で使える勤怠管理システムを導入しよう
手書きの出勤簿は小規模ならコストが少額で済むという点から好んで導入する企業も少なくはありません。
しかし、管理が大変であったり、改ざんリスクやミスの修正などの手間といったデメリットを考えると勤怠管理システムを導入するほうが長い目でみればよいといえます。
スマレジ・タイムカードであれば無料で使うことができるので、小規模企業や店舗、大きくコストをかけたくない場合におすすめです。