夜勤シフトの組み方とは?
休日・休憩の設定・勤怠管理のコツ
・注意点を解説
深夜も稼働している事業所で従業員を働かせる場合、日中だけでなく夜勤のシフトも組まなければなりません。しかし、具体的な進め方が分からず、悩んでしまう担当者も多く見受けられます。休憩や休日の設定をはじめとして、検討を要する事柄がたくさんあるからです。そこで本記事では、夜勤の概要からシフトの組み方まで詳しく説明し、それらを踏まえて管理のポイントや注意点なども紹介します。
夜勤シフト管理なら! 0円で始めるクラウド勤怠管理システム「スマレジ・タイムカード」
そもそも夜勤とは?特徴や主なシフトパターン
夜勤とは文字どおり夜間に働くことですが、実際は深夜の勤務を意味しているのが一般的です。
そのため、日没直後の時間帯などに働いても、基本的に夜勤をしているとは見なされません。
深夜の捉え方は人によって異なりますが、労働基準法第61条で定めているのは午後10時~翌日午前5時の間です。病院の看護師や介護施設の介護職員など、夜勤のある職種は多岐にわたります。
24時間体制の工場やコンビニの従業員も代表的な職種です。もちろん、深夜営業をしている飲食店や小売店のスタッフも該当します。
なお、深夜とそれ以外とでは、同じ時間だけ働いても得られる対価が異なります。
夜勤をした従業員に対して、25%の割増賃金を企業は支払わなければなりません。また、一口に夜勤といっても「二交代制」や「三交代制」のように複数のシフトパターンが存在します。
それぞれ特徴が違うのでしっかり理解しておきましょう。
二交代制の特徴とメリット・デメリット
二交代制とは、勤務の時間帯を日勤と夜勤の2種類に分けて、それらを繰り返す方式の働き方です。
労働時間の幅は8~16時間ぐらいで、日勤は8時間程度、夜勤は16時間程度であることが多いです。
具体的な配分は企業や職場によって違い、どちらも12時間程度に設定しているケースも見受けられます。
とはいえ、一般的には夜勤の労働時間が長く設定されており、それが二交代制の特徴となっています。労働時間に応じて、夜勤は休憩時間も長めに設けられていることが多いです。
従業員が二交代制で働くメリットとして、プライベートの時間を確保しやすい点が挙げられます。
なぜなら、夜勤明けの当日から翌日にわたって休めるケースがよくあるからです。一方、長時間勤務によって体力が失われやすいというデメリットもあります。
三交代制の特徴とメリット・デメリット
三交代制も、勤務の時間帯を分割する働き方である点は二交代と変わりません。
ただし、こちらは労働時間の配分に差はなく、24時間を3つに分けて、それぞれ8時間程度ずつ勤務する方式が一般的です。
日中の「日勤」と夕方~深夜の「準夜勤」の後に、深夜~朝の「夜勤」が行われます。
日勤や準夜勤だけでなく、夜勤の1回あたりの労働時間も短い点は大きな特徴です。この特徴により、長時間シフトの労働を避けられて、身体にかかる負担を減らせることは従業員のメリットといえます。
ただし、労働時間が短い分だけシフトのサイクルが速く、次の出勤までの間隔が短くなりがちです。
変則的な勤務が続くせいで、生活のリズムが乱れやすくなります。
【労働基準法】夜勤と日勤の連続勤務は可能?
シフト例付きで解説
自社の夜勤シフトを組むにあたり、労働基準法を意識することは大事です。夜勤から日勤につながる連続勤務などに、法的な問題はないのか気になる人もいるでしょう。よって、ここでは連続勤務の扱いに関して法律の観点で解説します。
1.夜勤から日勤の連続勤務に法律上の問題はある?
夜勤から日勤の連続勤務と聞くと、徹夜明けの厳しい状況での労働をイメージするかもしれません。
そのイメージが強いと違法だと勘違いしそうですが、この連続勤務は法的に問題がないものです。
夜勤中に深夜0時を超えても、その後の勤務は始業時刻が含まれる日の労働時間として扱われます。
労働基準法でそう定められているため、夜勤から連続でシフトを組んでも大丈夫です。
たとえば、夜勤で火曜午後21時~水曜午前6時まで働いた人が、3時間後の午前9時~午後18時まで日勤で働いても問題ありません。
このケースだと、火曜から始まった夜勤が水曜に終わっても、すべて火曜の労働時間と見なされます。水曜の労働時間はあくまでも日勤の分だけです。
2.日勤から夜勤の連続勤務に法律上の問題はある?
日勤から夜勤の連続勤務についても、法的に問題がない点は共通です。
ただし、1日8時間という法定労働時間との関係に気を使う必要があります。
日勤から夜勤への移行にあたり、途中で休憩を挟んだとしても勤務日は同じ暦日です。
前述のとおり、夜勤は始業時間が含まれる日の労働として扱われるからです。
たとえば、日勤で火曜午前9時~午後17時まで働いた人が、夜勤で午後22時~翌水曜の午前5時まで働くと、これらは一勤務と見なされます。
このように、トータルの労働時間が1日8時間の法定労働時間をオーバーすると、超過分に関して25%の割増賃金を支払う義務が生じるのです。
支払いの拒否は法律違反なので気を付けてください。
夜勤シフトにおける休憩や休日の組み方は?
労働基準法第34条で、夜勤の休憩時間に関する規則が定められています。
具体的には、6時間以上8時間以下の労働時間に対して、最低45分の休憩時間を設けなければなりません。
労働時間が8時間以上に及ぶなら、最低1時間の休憩を与える必要があります。
なお、夜勤の休日は夜勤明けの当日ではなく、その翌日であることも覚えておきましょう。
休日は午前0時に始まり、そこから24時間後まで休める丸一日を指します。
たとえば、夜勤で火曜午後21時~水曜午前6時まで働くと、水曜はもう丸一日休めません。
したがって、翌日の木曜を休日に設定するというわけです。
また、労働基準法第35条により、1週間に1日もしくは4週間に4日以上、法定休日を与えることもポイントになります。
時間外労働を命じる場合、労働者代表と36協定を締結してから、労働基準監督署に届出が必要です。
36協定とは労働基準法第36条の労使協定を指し、これに1年や1カ月といった単位で時間外労働の上限を定めます。
その上限なども考慮したうえで休日を適切に設けましょう。
夜勤シフトの組み方は?作成の流れとポイント
ここでは夜勤シフトの作成方法を理解しやすいように、基本的な流れを3つのステップに区切って解説します。
1つ目のステップは従業員のチーム分けであり、各人に対して行うヒアリングが最初の作業です。
「日勤のみ」「夜勤のみ」「どちらも可能」など、希望別に従業員を分類してください。2つ目のステップは、従業員のチームセットを検討することです。
「早番3人」「遅番2人」など、チームごとに人員セットを作り、従業員を割り当てます。
その際、勤務する曜日をベースにして決めていくと良いでしょう。
3つ目のステップはローテーションの決定です。
従業員ごとの希望や出勤パターンなどの情報を踏まえ、人員セットの割り当てをうまく入れ替えられるように計画します。
時間帯別に必要な人員数を明確にしたうえで、従業員をそれに合わせて配置するための調整が不可欠です。
夜勤シフトを組む際の注意点
前述の手順で夜勤シフトを組めますが、いくつかのポイントに気を付けなければなりません。失敗を防げるように、シフトの作成における注意点を以下に紹介します。
1.連続勤務や変則的な労働時間が続かないよう調整する
法定休日を適切に付与し、36協定の上限を超えないように働かせることが基本です。
そして、割増賃金を支払う義務なども果たしていれば、連続勤務に違法性はありません。
ただし、連続勤務の頻度が高い場合や、変則的な労働時間が続く場合は、従業員の負担が大きくなってしまいます。
法的に問題がないとはいえ、そうしてパフォーマンスを低下させるのは職場にとって不利益です。
よって、従業員の健康面にも十分配慮し、負担を助長する勤務パターンの常習化は避けましょう。
定期的に休憩や勤務時間を見直して、働きやすいように調整することが大事です。
2.不公正にならないようシフトを組む
偏りのあるシフトは従業員が不満を抱く原因になりやすいです。
たとえば、労働時間や休日の希望が出されたとき、通りやすさに差があるのは良くありません。
公平性が欠けた結果、従業員同士の関係が悪くなることも十分にありえます。
経営者や店舗の担当者が知らないだけで、すでにトラブルが生じている可能性もあるのです。
勤務日数が多くて労働時間も長いなど、特定の従業員に負担が集中している状況は不適切です。
コミュニケーションを通して不満の有無を探りつつ、そのような事態を招かないように配慮してシフトを組みましょう。
夜勤シフト作成や勤怠管理を効率化するポイント2つ
法律や従業員の希望への配慮など、夜勤を含むシフトの作成は手間がかかりやすいです。割増賃金計算のための勤怠管理に苦労するケースも珍しくありません。これらの対策として、シフト作成や勤怠管理の効率化に結びつくポイントを紹介します。
1.夜勤対応のタイムレコーダーを使う
タイムレコーダーを使用すれば、その分だけ勤怠管理が楽になり、シフト作成の参考になるデータも得やすくなります。
ただし、どのタイムレコーダーを選んでも良いわけではありません。
多くの製品が販売されており、そのなかには夜勤に対応しているタイプもあります。
非対応のタイプは、夜勤で日付をまたぐ際、翌日の勤務に切り替わってしまうので不便です。
一方、対応していると、煩雑な労働時間を正しく管理できますし、割増賃金の計算業務もスムーズに行えます。
2.勤怠管理システムを導入する
勤怠管理システムを導入することも有効な手段です。従業員の出退勤や休暇はもちろん、労働時間や休憩などもしっかり管理できます。
システムの導入によって、適切な労働時間の管理を続けると、特定の従業員だけ長く働くような事態は起こりません。
偏りのないシフト表を作成するときに役立ちます。なお、システムごとに搭載している機能はさまざまです。
たとえば、残業時間の上限を設定し、超えた場合に通知する機能は多くの職場で重宝されています。
勤怠記録から自動で給与を計算する機能も同様で、業務の効率化への貢献度はとても大きいです。
夜勤シフト作成・勤怠管理なら「スマレジ・タイムカード」
スマレジ・タイムカードは、シフト管理や休暇管理、給与計算をはじめ、多様な機能を持つクラウド勤怠管理システムです。
日報やプロジェクトの管理も行えるなど、一般的な勤怠管理の枠を超えて活用できます。
シフトに関する機能も優れており、バランスの取れた表を勤務パターンからワンタッチで作成可能です。
また、朝番や夜番といった勤務パターンも作れますし、日付変更時間に関する詳細情報も簡単に設定できます。
このような勤務パターンや出退勤体系を事業所ごとに入力できる点も魅力です。深夜労働や休日労働の割増賃金を設定する機能も持っています。
なお、労務アラートを作成しておくと、いろいろなリスクを未然に防げるので安心です。
たとえば、36協定から逸脱しないように時間外労働に関する注意を喚起できます。
社内規定が遵守されないときに警告を出せるなど、適切な勤怠状態の維持に有効です。
夜勤シフト作成は慎重に!
勤怠管理システムで業務負担の軽減を
夜勤を含む主なシフトは二交代と三交代です。いずれも法律だけでなく、従業員の健康や希望も考慮して作成しなければなりません。勤怠管理やシフト作成は手間のかかる業務ですが、勤怠管理システムを利用すると負担を軽減できます。導入を検討するなら、豊富な機能を有する「スマレジ・タイムカード」がおすすめです。まずは気楽に資料請求やオンライン相談などをしてみてください。
夜勤シフト管理なら! 0円で始めるクラウド勤怠管理システム「スマレジ・タイムカード」
勤怠管理システムでシフト作成の負担を軽減しよう!
二交代制シフトは、24時間体制で稼働できる点が強みです。
ただし、メリットがある反面、法定労働時間を意識しておく必要があります。
法令を遵守しながら従業員一人ひとりに合わせた柔軟なシフトを組もうとすれば、それだけシフト作成の負担は大きくなります。
勤怠管理システムを上手に活用し、シフト作成や勤怠管理の負担を軽減しましょう。