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【2025年最新】
アルバイトの有給休暇|付与日数・条件は?
拒否の可否や計算方法をわかりやすく解説

【労働基準法】残業時間は月45時間まで!超えた場合の罰則に要注意

「うちのアルバイトにも、有給休暇ってあるの?」
店舗や事業所の責任者の方なら、一度はこんな疑問を持ったことがあるかもしれません。
結論から言うと、アルバイトやパートといった雇用形態に関わらず、法律で定められた条件を満たすすべての従業員に、年次有給休暇(有給)を付与することは企業の義務です。

さらに、2019年の働き方改革により「年5日の有給休暇取得義務化」がスタートし、違反した企業には罰則も科されます。もはや「知らなかった」では済まされない、重要なコンプライアンス課題なのです。
この記事では、アルバイトの有給休暇について、付与の基本ルールから、間違いやすい給与の計算方法、そして複雑な管理を効率化する方法までを網羅した「決定版ガイド」として、専門知識がない方にも分かりやすく解説します。

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この記事の目次

【大前提】アルバイト・パートにも有給休暇はある!

残業時間の上限は月間45時間・年間360時間!

まず押さえるべきは、有給休暇が労働基準法第39条で定められた、すべての労働者の権利であるという点です。
以下の2つの条件を両方満たせば、企業は雇用形態に関わらず有給休暇を付与しなければなりません。

付与の2大条件

1.雇入れの日から6ヶ月継続して勤務していること

「継続勤務」とは、その企業に在籍している状態を指します。契約更新を繰り返している場合や、試用期間中も、この在籍期間に含まれます。

2.その期間の全労働日の8割以上出勤していること

「全労働日」とは、労働契約上働くことになっている日数のことです。この出勤率を計算する際、以下の期間は「出勤したもの」として扱われるか、あるいは計算の母数となる「全労働日」から除外されるため、従業員が不利にならないようになっています。

  • 業務上のケガや病気による休業期間
  • 産前産後休業、育児・介護休業期間
  • 年次有給休暇を取得した日 など

なお、遅刻や早退をした日も、1日出勤したものとして扱います。

【付与日数】勤務日数で変わる有給の日数をマスターする

有給休暇の付与日数は、勤続年数と週の所定労働日数によって決まります。

原則(週5日以上 または 週30時間以上勤務の場合)

これは正社員など、フルタイムで働く従業員と同じ基準です。

  • 継続勤務年数
  • 0.5年
  • 1.5年
  • 2.5年
  • 3.5年
  • 4.5年
  • 5.5年
  • 6.5年以上
  • 付与日数
  • 10日
  • 11日
  • 12日
  • 14日
  • 16日
  • 18日
  • 20日

比例付与(週4日以下 かつ 週30時間未満勤務の場合)

アルバイトやパート従業員の多くが、こちらの「比例付与」に該当します。

  • 週の所定労働日数
  • 1年間の所定労働日数
  • 0.5年
  • 1.5年
  • 2.5年
  • 3.5年
  • 4.5年
  • 5.5年
  • 6.5年以上
  • 付与日数
  • 4日
  • 169~216日
  • 7日
  • 8日
  • 9日
  • 10日
  • 12日
  • 13日
  • 15日
  • 3日
  • 121~168日
  • 5日
  • 6日
  • 6日
  • 8日
  • 9日
  • 10日
  • 11日
  • 2日
  • 73~120日
  • 3日
  • 4日
  • 4日
  • 5日
  • 6日
  • 6日
  • 7日
  • 1日
  • 48~72日
  • 1日
  • 2日
  • 2日
  • 2日
  • 3日
  • 3日
  • 3日
【ポイント①】シフト制で労働日数が変動する場合は?

契約時に「週〇日勤務」と決まっていない場合は、付与日を基準とした直近1年間の実績労働日数に応じて、上の表の「1年間の所定労働日数」の欄を当てはめて判断します。

【ポイント②】有給休暇の有効期限

付与された有給休暇の有効期限は2年間です。
例えば、2025年4月1日に付与された10日間の有給は、2027年3月31日まで有効です。
前年に使い切れなかった分は翌年度に繰り越すことができますが、2年を過ぎると時効で消滅してしまいます。

【最重要】年5日の有給休暇取得義務化と企業の責任

働き方改革の柱の一つとして、すべての企業に「年10日以上の有給休暇が付与される労働者に対し、付与した日から1年以内に年5日の有給休暇を取得させる」ことが義務付けられました。

義務化の対象者

この義務は、正社員だけでなく、上記の比例付与の表で付与日数が10日以上となるアルバイト・パート従業員も対象です。
(例)「週4日勤務で勤続3.5年以上」や「週3日勤務で勤続5.5年以上」のスタッフも、義務化の対象者となるため、一人ひとりの状況を正確に把握する必要があります。

企業の2つの義務

1.時季指定義務

従業員が自ら希望して5日以上の有給を取得していれば問題ありません。
しかし、取得日数が5日に満たない従業員に対しては、会社側が「〇月〇日に有給休暇を取得してください」と日付を指定して、取得させなければなりません。

2.年次有給休暇管理簿の作成・保存義務

企業は、従業員ごとに有給休暇の基準日、付与日数、取得した日付などを記録した「年次有給休暇管理簿」を作成し、その期間中および期間満了後3年間保存する義務があります。

※労働基準法の改正により、書類の保存期間は原則5年間に延長されましたが、年次有給休暇管理簿については当分の間、経過措置として3年間の保存が認められています。

罰則について

年5日の取得義務に違反した場合、労働基準法に基づき対象となる労働者1人あたり30万円以下の罰金が科される可能性があります。これは非常に重い罰則であり、確実な管理体制の構築が求められます。

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【労働基準法】夜勤と日勤の連続勤務は可能?シフト例付きで解説

ここまで見てきたように、従業員ごとの有給日数管理や取得義務の管理は非常に複雑です。

「どのアルバイトが対象者だっけ…?」
「このスタッフは、あと何日取得させればいいんだ?」

従業員の人数が増えれば増えるほど、これらの管理をExcelや紙で行うのは現実的ではありません。
こうした複雑な義務化への対応は、勤怠管理システムを導入することで、簡単かつ確実に行うことができます!

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【実践編】有給休暇取得日の賃金計算

有給休暇を取得した日の給与は、以下の3つのうち、いずれかの方法で支払う必要があります。
どの方法を採用するかは、あらかじめ就業規則で定めておく必要があります。

1.平均賃金で支払う方法

過去3ヶ月間の賃金総額を、その期間の総日数(暦日数)で割って1日あたりの賃金を算出します。
【計算式】 過去3ヶ月間の賃金総額 ÷ 過去3ヶ月間の総日数
【計算例】 3ヶ月の賃金総額が90万円、総日数が92日の場合 900,000円 ÷ 92日 = 9,782.6円

2.通常の賃金で支払う方法

その日に働く予定だった分の給与をそのまま支払う、最もシンプルで分かりやすい方法です。
【計算式】 その日に働く予定だった所定労働時間 × 時給
【計算例】 6時間勤務のシフトが入っており、時給1,200円の場合 6時間 × 1,200円 = 7,200円

3.標準報酬月額の日割額で支払う方法

社会保険に加入している従業員が対象で、事前に労使協定の締結が必要です。健康保険料の基準となる「標準報酬月額」を30で割って算出します。

上記②の方法が一般的です。

【Q&A】よくある疑問とトラブル回避のポイント

Q1. 忙しい時期の有給申請、拒否できますか?

A. 原則として拒否できません。
ただし、従業員が申請した日に休まれると「事業の正常な運営を妨げる」場合に限り、会社は別の日に変更してもらう「時季変更権」を行使できます。
しかし、単なる「人手不足」という理由だけで時季変更権の行使は認められにくく、その行使は慎重に行う必要があります。

Q2. 退職時にまとめて有給消化を申請されたら?

A. 拒否できません。
残った有給を消化することは労働者の権利です。
退職予定日までの日数を超える有給の申請はできませんが、残っている日数内での申請はすべて認めなければなりません。
引き継ぎなどを考慮し、早めに消化スケジュールを組むのが賢明です。

Q3. 有給休暇の買い取りは可能ですか?

A. 原則として違法です。
有給休暇は心身のリフレッシュを目的とする制度のため、お金で解決することは認められていません。
ただし、法律で定められた日数を超える分や、時効で消滅する分、退職時に消化しきれない分を、労使の合意の上で買い取ることは例外的に認められています。

なぜアルバイトの有給管理は、これほど難しいのか?

ここまで見てきたように、アルバイト・パートの有給管理は、正社員以上に複雑な側面があります。

  • 入社日がバラバラで、有給付与のタイミングが一人ひとり異なる。
  • シフト制で労働日数が変動し、付与日数の計算や取得義務の対象者判定が煩雑。
  • 誰が「年5日取得義務」の対象者で、あと何日取得させる必要があるのか、管理しきれない。
  • 担当者がExcelや手作業で管理しているため、計算ミスや管理漏れのリスクが常に付きまとう。

これらの課題を放置することは、法律違反のリスクだけでなく、従業員の不満やトラブルの原因にもなりかねません。

その複雑な有給管理、スマレジタイムカードなら全て解決できます!

こうした複雑で手間のかかる有給休暇管理の課題は、勤怠管理システムを導入することで、正確かつ効率的に解決できます。

メリット①:複雑な付与計算を完全自動化

従業員の入社日や勤務実績をもとに、法律で定められたタイミングと日数の有給休暇をシステムが自動で計算・付与します。
シフト制で週の労働日数が変動する従業員の場合でも、自動で直近1年間の出勤率などを考慮して計算するため、担当者が複雑な計算をする必要は一切ありません。

メリット②:年5日取得義務の対象者を自動で検知し、アラートで警告

システムが年5日の有給取得義務の対象者を自動で検知し、取得日数が足りない従業員がいる場合は、管理者や上長、本人に向けてアラートで通知できます
コンプライアンス違反を未然に防ぎ、計画的な取得勧奨をサポートします。

メリット③:スマホで完結する申請・承認ワークフロー

従業員はいつでもどこでも、ご自身のスマートフォンやPCから有給の残日数を確認し、そのまま申請できます。
管理者は通知を受け取り、システム上で承認・却下が可能です。
紙の申請書や口頭でのやり取りから解放され、業務が大幅にスピードアップします。

メリット④:有給管理簿の自動作成・保存

法律で作成・保存が義務付けられている「年次有給休暇管理簿」もシステムが自動で作成します。
従業員ごとの基準日、付与日数、取得日数が正確に記録され、いつでも必要な時にデータを出力可能です。
面倒な書類作成業務からも解放されます。

まとめ

適切な有給休暇の管理は、法律を守るというコンプライアンスの観点だけでなく、従業員が働きやすい環境を整え、満足度や定着率を高めるための重要な経営課題といえるでしょう。

しかし、その管理は非常に複雑で手作業には限界があります。
システムの力を活用し、確実かつ効率的な管理体制を構築することで、担当者の負担を軽減し、誰もが安心して働ける職場環境を実現しませんか。

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