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人事管理システムは
導入するべき?
メリットや選ぶときのポイントを徹底解説

人事業務だけではなく、給与の管理や人材マネジメントなども効率化できる人事管理システム。
人事部の業務は非常に幅広く、負担が大きいといわれています。そのため、中小企業でも導入する企業が右肩上がりです。
そこで、このページでは人事管理システムの概要とともに選ぶ際のポイントや主な機能、導入するメリットなどについて解説します。

人事管理システムとは
どういったもの?

人事管理システムとは従業員に関する情報をすべてデータで一元管理したうえで、人事・労務、人材マネジメントなどの面で役立てるシステムを指します。元々はこういった作業すべては手作業で行われており、工数と手間がかかるのが課題となっていました。しかも、人事の評価をする際には一人ひとりを行わなければならず、その精度も行う人によって異なってしまいます。人事管理システムは、かつてERPと呼ばれていた大手企業向けの多機能総合業務システムが導入されるケースが多くを占めていました。

しかし、年月の経過で新しい人事管理システムがさまざま登場しており、中小企業に合った機能が中心となった使いやすいクラウドサービスも増加しつつあります。ただ、便利さのみに注目すると、さまざまなシステムが目に入るので迷ってしまうかもしれません。重要なのは「自社に必要な機能は何なのか」です。

人事管理システムの
代表的な形態

こちらでは、人事管理システムの3つの形態である「クラウド型」「オンプレミス型」「パッケージ型」をそれぞれ紹介します。

クラウド型

人事管理システムのなかでも、特に企業への導入が増加しているのがクラウド型です。クラウド型は、システムの提供会社が用意したサーバー上で人事管理システムを利用する方法です。インターネット環境があれば利用できるため、場所を選ばずにアクセスできます。自社サーバーの用意、専用ソフトのインストールどちらも必要ありません。できるだけ早く、しかも手軽に導入・利用開始したい場合に向いています。

セキュリティ面も、運営会社の用意したサーバーは非常に堅く、安心して利用可能です。また、システムの運用・管理はベンダー側で行うため、セキュリティ面についても利用者はアップデートするだけで常に最新状態に保つことができます。クラウド型なので、インターネット環境があればスマホやタブレットなどを使って外出先でも利用できます。そのため、テレワークを取り入れている会社でも利用しやすいといえるでしょう。

オンプレミス型

オンプレミス型は、自社内サーバーに人事管理システムをインストールして運用する方法です。こちらは、自社サーバーにシステムの構築をします。そのため、元々利用しているツールなどと連携しやすく、自社に合った状態にカスタマイズしやすいというメリットがあります。従業員数が1000名以上の大企業向けの人事管理システムです。ただ、扱うデータ量が増えるほどサーバーに大きな負担がかかるので、それに対応できるようにしておかなければなりません。オンプレミス型はトライアルがないので、どのような人事管理システムを選ぶのかを慎重に考えるほうがよいでしょう。

また、オンプレミス型はサーバーの構築などの前準備の段階で数カ月の期間がかかると考えておく必要があります。人事部では取り扱う個人情報も多く、セキュリティ面の強化とポイントの検討は必須です。オンプレミス型の場合は導入後も自社でサーバーや運営・管理をしなければならず、法改正の情報はこまめに確認をする必要があります。費用面でいえば、自社サーバーで管理をするオンプレミス型は初期費用だけではなく、ランニングコストも必要です。自社にサーバーの管理ができる従業員がいなければ外部に依頼しなければならないので、さらに費用がかかります。

パッケージ型

パッケージ型は専用のソフトウェアとライセンスを購入後、パソコンにインストールして使用する人事管理システムです。パソコン内で人事管理を行うというものなので、サーバーを用意する必要がありません。パッケージを購入さえすればよいので、当日からすぐに使用を開始できます。パッケージ型に備わっている機能はあらかじめ決まっていますが、購入タイプなので月額費用はかかりません。

サーバーの構築をしない分、コストの節約にはなりますが、データはそれぞれのパソコン内で管理されているのでインターネット上でデータの共有ができるクラウド型やオンプレミス型と異なり、共有することができません。データを見るためにはパッケージをインストールしたパソコンで確認するか、人事管理システムは各パソコンにインストールしなければならないなど手間もかかります。

人事管理システムの主な機能

人事管理システムにはさまざまな機能があり、すべてを把握しようとするのは困難です。
まずは代表的な機能について把握しておくことが重要であるといえます。人事管理システムの主な機能は以下のものが挙げられます。

勤怠管理

人事管理システムの代表的な機能として知られているのが勤怠管理です。勤怠管理とは社員の出退勤の記録を管理するためのものです。人事管理システムを導入すると残業や直行直帰、休日出勤など変則的な勤怠についても正確に記録できます。従業員が過重労働をする前に発見できるので、労働基準法違反を防止することも可能です。打刻機能については人事管理システムによってさまざまなものがあり、パソコンやスマホで打刻できるものもあれば、指紋や顔面など生体認証を利用するものもあります。

労務管理

労務管理は入退社の手続き、各種申請にかかわる機能です。具体的には、従業員の氏名や住所、年齢などの個人情報を安全に保存し、データと紐づけて労働保険の手続きをスムーズに行えます。雇用関係の助成金の手続きをする際にも労務関係が正確に記録されていることは必須なので、人事管理システムの導入はそういった意味でも有効です。労務関連の書類作成ができるだけではなく、オンライン上で書類のやりとりができます。役所や年金事務所への書類提出も、電子申請ができるので、わざわざ現地まで足を運ぶ必要がありません。給与明細も紙で渡すのではなく、Web給与明細を発行したり、従業員に配布したりできます。源泉徴収票についてもシステム上で対応可能です。

給与計算

給与計算とは勤怠管理のデータと紐づけて給与計算を行う機能です。給与は正社員以外にも契約社員、アルバイトなどにも支給されます。給与計算機能があれば、従業員の雇用形態に応じた給与計算をすることが可能です。システムのなかには自動化されているものや、給与明細の電子化システムと連携してメール、クラウド上で配信できるものがあります。

給与計算は従業員一人ひとりの勤怠情報を確認して支給額の計算、控除額の計算、振込支給額の計算という流れです。確認しなければならない勤怠情報だけでも所定労働日数、勤務日数、労働時間などさまざまあります。こういった勤怠管理を手作業で1人分ずつ確認すると考えれば、給与計算をする作業にどれほどの時間と手間がかかるのか想像しやすいかもしれません。人事管理システムで給与計算の機能があれば自動化されるため、その分、ほかの業務を進められます。

人材マネジメント

人事マネジメント機能は、人材採用や人事評価などで人事管理システムに含まれている機能です。求人募集を出した際に応募数、日程、選考結果といった人材採用の情報もまとめて管理できます。また、従業員に関する成果・評価なども一元管理できるため、各自のスキルに合わせて適切に配置することも可能です。従業員数が多い大企業の経営陣は、従業員数や名前、能力といった情報を把握しきれません。そういった場合に、人材管理システムを導入することが多いです。

たとえば、人事評価を人が行う場合、平等に評価しているつもりでも無意識の思い込みなどから適切に評価できていないケースもあります。しかし、人事管理システムによって自動的に評価されている場合、それは完全に客観的に行われているので従業員も納得しやすいです。それによって、社員のモチベーションアップにもつながります。

人事管理システムを導入することで
得られるメリット4選

人事管理システムの導入によって、「業務の効率化」「ミスの軽減」などさまざまなメリットが期待できます。
こちらでは、人事管理システムの導入によるメリットについて厳選して4つ紹介します。

4つのメリット

業務の効率化

人事管理システムの導入をすると、勤怠管理、人材評価などデータを一元化できるのが大きなメリットです。これまで手作業で行っていた業務が自動化されるため、必要情報の検索も容易になります。そのため、人事業務の作業が全体的に効率化し、作業工数の削減をすることも可能です。結果的に人件費の削減につながるので、経営側にもメリットがあります。

ケアレスミスの削減

勤退管理や給与計算などを手作業で行うとミスが起こりやすいです。従業員数が多いほど作業完了までの時間がかかって集中力が下がりやすくなるため、そのリスクも上がります。給与計算など1つでもミスをすると金額に違いが生じてしまう作業は、ミスをした後に最初から計算をやり直さなければならず大変です。しかし、人事管理システムはこういった計算作業は基本的に自動化できるので、ミスも大幅になくせます。勤務形態が従業員によって異なっている場合は計算をするにも時間と手間がかかる作業です。人事管理システムが導入されていれば、自動的に判断して計算するので便利といえます。法の改正や税率の変更などの対応漏れは、アップデートによって防止することが可能です。

人材育成の最適化

人事管理システムではすべての情報がデータ化されます。たとえば、従業員の能力・職歴などがデータ化され、人事配置をする際にもその情報を元に、その人の能力に合った部署と業務に配置することが可能です。システムが自動的に評価したデータは公平であり、評価される側も納得しやすく、仕事のモチベーション向上につながります。さまざまな段階での評価が蓄積されるので、その結果の分析をすることで自社に合った人材の育成方法も検討しやすくなります。人事評価の結果も継続的に見ておくと、従業員に適切な指導をする際に有効です。伸び悩んでいる従業員を迅速にフォローすることで、離職率の軽減も期待できます。

セキュリティの向上

人事部では従業員の個人情報を扱っており、その分、個人情報の保護をするためにも強固なセキュリティは必須です。そういう意味では、機密情報をしっかりと守れるセキュリティが充実した人事管理システムは非常に効果的といえます。セキュリティの方法はシステムによって異なりますが、「2段階認証」「IPアドレス制限」「操作・閲覧ログの保存」といったものです。クラウド型の場合はデータを外部保存したうえでバックアップもされます。そのため、万が一、火災や地震などでパソコンが被害を受けたとしてもデータを安全に残すことが可能です。

人事管理システムを
選ぶときのポイント

人事管理システムは便利ですが、注意した方がよいこともあります。選ぶ際のポイントは「自社に合った機能を備えていること」です。
せっかくさまざまな機能が備わっている人事管理システムを導入しても、自社に合っていなければ宝の持ち腐れになります。
また、費用対効果の面でも見合わないこともあります。そこで、ここでは人事管理システムを選ぶ際に失敗しないためのポイントを紹介します。

ポイント1
利用目的

人事管理システムは種類も多いため、まずは自社の目的に合っているかどうかを考えなければなりません。人事に関する課題をピックアップして、すべてに優先順位をつけましょう。たとえば、人材評価の効率化、給与計算でミスの軽減、既存従業員のモチベーションを上げるなどが挙げられます。人事管理システムの導入をする目的を明確にしておかなければ、本来であれば不要な費用を支払うことになりかねません。

ポイント2
料金

人事管理システムの料金は定額制と従量課金制があります。定額制の料金が高い場合、従業員数が少ない中小企業には負担が大きくなる可能性があるので注意しましょう。一方、従量課金制は従業員数が多いほど料金が高くなってしまいます。そのため、事前にシミュレーションしておくのが望ましいです。現状として従業員数が少なくても、将来的に増加する可能性があるため、その点を考慮しておく必要があります。また、人事管理システムは導入時に高額なコストがかかるケースもあるので注意しましょう。たとえば、オンプレミス型は自社サーバーを用意しなければならないので、導入前の時点で高額なコストがかかる可能性があります。

ポイント3
使いやすさ

一般的に、人事管理システムは人事部で使用することが多いですが、会社によっては経営層、ほかの部署の従業員なども操作するケースがあります。そのような場合は、より使いやすさを重視するのがおすすめです。たとえば、「操作画面がシンプルで見やすい」「直感的な操作ができる」といった条件をクリアしているものであれば、人事管理の経験者から未経験の新人社員まで使いやすいといえます。誰にでも簡単操作なできるシステムであれば、それを扱うための従業員教育の時間とコストを抑えてスピーディーに利用開始することが可能です。人事管理システムのなかには期間限定で無料お試しができるものもあるので、まずは担当者に実際に使ってもらうのがよいでしょう。

ポイント4
他システムとの連携

人事に関するデータは会社にとって基盤となる情報なので、既存システムと連携できるか否かについても考慮しなければなりません。勤怠管理、経費精算、人事評価などほかのシステムと連携することで、人事管理システムによる業務全体においての効率化が期待できます。既存システムとの連携ができなければ、人事管理システムの導入をしてもかえって業務が増えてしまうので注意しましょう。連携方法についても、手軽にできるのか、連携で費用が発生しないのかなども確認しておく方が安心です。

ポイント5
サポート体制

サポート体制が充実している人事管理システムであれば、万が一のことがあったときも安心です。特に、人事管理システムの導入をした直後はさまざまな疑問や質問が出てくる可能性があります。そのような状況になったときに丁寧でわかりやすいアドバイスをもらえるか、サポート体制が充実しているかどうかが重要です。事前に、サポートの受付時間、電話やチャット、メールなどサポート方法について調べておきましょう。人事管理システムの運営会社によってはサポートの内容によって有料になるケースもあるため、その点もチェックが必要です。導入後に深刻なトラブルが発生する可能性もないとは断言できません。迅速かつ柔軟な対応をしているサポート体制が整っているものを選ぶのがポイントになります。

自社の問題を解決できるような人事管理システムを選ぼう

人事管理システムは人事・労務部門の負担軽減に役立ちます。ただ、導入する目的があいまいだったり、使いにくかったりするシステムではイメージ通りの効果を得られない可能性がないとはいえません。人事管理システムといっても、機能はさまざまあります。自社の問題を明確化し、コストやサポート体制も考慮したうえで選びましょう。

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