タイムカードの手書き管理や
出勤簿の
押印は違法?
正しい勤怠管理とは

これから店舗運営する経営者の中には、手書きのタイムカードの導入を検討している方も多いのではないでしょうか。
小規模な店舗では、手書きのタイムカードや出勤簿への押印などで勤怠管理を行うケースが少なくありませんが、本来は手書きの出勤簿管理は推奨されていません。
本記事では、手書きのタイムカード、運用方法や運用時の注意点ついて掘り下げて解説します。

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手書きのタイムカードや出勤簿管理は推奨されていない

手書きのタイムカードや出勤簿管理を検討している方は多いかもしれませんが、実際には国が推奨している方法ではありません。
手書きのタイムカードや出勤簿に押印する勤怠管理も法律的には問題ありませんが、不正防止の対策が難しいため、極力データやシステムでの管理が望ましいとされています。
手書きによる勤怠管理は、自己申告制になるため証拠書類としては機能しません。紙ベースによる勤怠管理は容易に改ざんすることができ、違法行為が行われる可能性が高いです。
鉛筆の記録は訂正・改ざんされやすい
特に鉛筆で書き込んだ記録は訂正・改ざんされやすいです。
企業側が人件費をカットするために労働時間を上書きしたり、従業員が不正受給するために実際の勤務時間よりも多めに記入したり不正が容易にできてしまいます。
消しゴムを使えば記録を書き換えることができるため、鉛筆での記録は不適切です。もし紙での管理にこだわるのであれば、必ず訂正した記録が残るボールペンで記録を取るようにしましょう。
法律で決められている勤怠管理|働き方改革の内容

法律では勤怠管理をすることが義務付けられています。労働時間の適正な把握のための企業向けの新たなガイドラインに従って管理する必要性があるのです。
ちなみに、労働時間とは以下の時間を意味します。
- 使用者の指揮命令下に置かれている時間
- 使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間
- 参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や使用者の指示により業務に必要な学習等も該当する
つまり、企業には従業員の労働時間を正確に管理する必要があり、適切に勤怠管理を行うことが求められます。
労働時間の把握のためにやるべきこと
企業が労働時間の把握のためにやるべきことを紹介します。企業に求められる努力義務は以下の通りです。
- 始業時刻と終業時刻を記録する
- 使用者が始業時刻と終業時刻を確認する
- 労働時間に著しい乖離が生じているときは実態調査を実施(自己申告制の場合)
- 賃金台帳を記入する
労働時間は企業の指揮命令下に置かれている時間を指すので、適切に把握するには始業・終業時刻を記録する必要があります。
単に1日に何時間働いたかではなく、何時から何時まで労働したのかを記録しましょう。
なお、労働基準法第108条及び同法施行規則第54条により、労働者ごとに、労働日数や労働時間数、休日労働時間数、時間外労働時間数、深夜労働時間数などの項目を適正に記入しなければなりません。賃金台帳の作成も忘れないように取り組みましょう。
手書きのタイムカードの書き方
手書きのタイムカードを採用する方に向けて、手書きのタイムカードの作成の仕方を紹介します。
タイムカードを手書きで管理する場合は、労働日ごとに以下のような項目を記入しなければなりません。
- 出勤日
- 労働日数
- 出退勤の時刻
- 1日の労働時間数
- 時間外労働の詳細(日付・時刻・時間数)
- 休日労働の詳細(日付・時刻・時間数)
- 深夜労働の詳細(日付・時刻・時間数)
従業員に手書きで記入してもらう場合は、改ざん防止のために必ずボールペンを使用してもらうように指導してください。
もし、記入ミスがあれば、正直に申告してもらい、ミスをした理由や実際の勤務状況を確認しましょう。
単に1日に何時間働いたかではなく、何時から何時まで労働したのかを記録しましょう。
なお、企業が従業員一人ひとりのタイムカードを記入する場合も同様にボールペンを使用します。その理由は、企業が実際の労働時間よりも少なく記録し、従業員に不利益をもたらす可能性があるからです。
手書きのタイムカードの注意点
手書きでタイムカードを管理するときは、いくつかのポイントに気をつけなければなりません。この段落では、手書きのタイムカードの運用における企業が注意すべき点を解説します。
自己申告制にあたると理解する
手書きのタイムカードは自己申告制にあたるため、従業員が正確に申告できる環境を整える必要があります。システムなどで管理するタイムカードは、それ単体で十分な証拠として機能します。
一方で手書きのタイムカードは虚偽報告や改ざんが容易な分、客観的な記録として活用するためにはICカードやパソコンの使用時間などの記録等と合わせて管理が必要です。
自己申告制に関して適切な措置を行うためには以下の4つのポイントを押さえましょう。
- 従業員に自己申告制の説明を行う
- 自己申告内容が正しいか実態を確認する
- 休憩や時間外報告が適正か確認する
- 自己申告制を妨げる要因がないか確認する
順に紹介するので、適正な労働時間の把握をするための参考にしてください。
1. 従業員に自己申告制の説明を行う
従業員に労働時間の考え方や自己申告制の具体的な内容、適正な自己申告を行うことで不利益な取り扱いが行われることがないことを説明する必要があります。
従業員に理解してもらうためには、企業が労働時間の考え方や自己申告制の適正な運用方法について理解しておくことが重要です。
「労働時間の適正な把握のための使用者向けの新たなガイドライン」に目を通して、スムーズに説明できるようになりましょう。
2. 自己申告内容が正しいか実態を確認する
企業は自己申告内容が正しいか実態調査を行って確認する必要があります。
特に従業員の実際の労働時間と自己申告内容に乖離が生じていれば、徹底した調査をしなければなりません。調査によって間違いや不正が発覚した場合は、書き直しの手間がかかりますが正しく補正しましょう。
3. 休憩や時間外報告が適正か確認する
使用者は休憩や時間外報告が適正か確認しましょう。
従業員の中には、申告している休憩時間よりも実際は多く休んでいたり、退勤後の社内滞在時間も労働時間に含めていたりする人もいる可能性があります。
逆に自己申告よりも長く労働しており、時間外手当分を省いて報告する人もいるでしょう。誰もが平等に報酬を受け取るためにも、完全に個人任せにするのではなく、申告内容を参考に適正な労働時間を判断しましょう。
4. 自己申告制を妨げる要因がないか確認する
企業は従業員の適正な自己申告を阻害してはいけません。
たとえば、「売上げが下がっているからなるべく時間外を減らしてね」と従業員に伝えることで、従業員が実態よりも少ない時刻を申告するケースが考えられます。間接的に自己申告制を妨げることになるため、従業員への対応を見直す必要があるでしょう。
また、自己申告制を採用する場合、企業が従業員の申告内容が間違っていないか確認するなど、かえって手間が増える場合も多いです。効率良い管理体制をつくるために、システムでの勤怠管理をおすすめします。
スマレジ・タイムカードで勤怠管理を楽にしよう
手書きでタイムカードを運用する場合は、自己申告制に関して適切な措置を行う必要があります。
どんなに気をつけていても、手書きのタイムカードでは不正防止の対策がしづらい場合があるため、可能な限りシステムの導入を検討しましょう。
スマレジ・タイムカードには、改ざん防止に便利な勤怠管理機能が搭載されているのでおすすめです。30名までは無料で利用できるため、低コストで運用することができます。