タイムカードの不正打刻が起きた際の対応は?
未然に防ぐ方法も
タイムカードで勤怠管理を行う場合、従業員の不正打刻に注意しなければなりません。従業員の不正を放置しておくと、従業員に正確な賃金が支払えなくなるだけでなく、職場から緊張感が抜けて、業務に支障が出る可能性も高まります。そのため、勤怠管理をする上で、従業員の不正打刻対策が必須です。
本記事では、タイムカードの不正打刻の具体例を挙げつつ、不正打刻が発生したときの対処法について紹介します。日ごろから従業員の不正に頭を悩ませている事業者の方は、対策の参考にしてみてください。
タイムカードの不正打刻とは
タイムカードの不正打刻とは、従業員の実労働とは異なる虚偽の勤怠時間を打刻することです。不正打刻によって従業員が実際の労働時間よりも長く働いたように申告を行うことで、従業員が本来受け取るはずの給料より多くもらうことが可能になってしまいます。
たとえば、紙のタイムカードの場合、本人でなくても打刻ができてしまうため、その場にいなくても他の人に頼んで打刻してもらえば、記録上は働いていることになる点が問題です。また、不正には当てはまりませんが、打刻忘れのミスが発生する可能性もあります。
単に従業員のミスの場合は、指導すれば済むので特に問題はないでしょう。しかし、従業員の中には、あえて出勤や退勤時に打刻せずに、自己申告で多めに申請する人もいるかもしれません。打刻忘れも紙のタイムカードにおける課題なので、放置せずに迅速に対応することが大切です。
タイムカードの不正打刻の具体例
タイムカードの不正打刻の具体例について紹介します。一般的に、不正打刻で多いケースは以下の3パターンです。
- 代理打刻
- 残業代の水増し
- 残業記録の抹消による未払金の発生
1と2は従業員による不正ですが、実は3のように管理者が不正するパターンもあります。実際にこれらの不正によって悩んでいる方はたくさんいるので、どのようなケースがあるのかチェックしておきましょう。
代理打刻
代理打刻は、タイムカードの不正打刻で特に多いケースといえます。従業員が遅刻をする際、他の従業員に代わりに打刻してもらうことで遅刻をごまかそうとする不正です。
出勤時刻に間に合わないときに仲良しの従業員に事前に連絡をして、出勤時間になったら自分のタイムカードを打刻するようにお願いしておけば、記録上は遅刻していないことになります。
代理打刻の問題点は、管理者が現場にいない場合、記録上で不正が行われていることに気付けないことです。現場から不正の報告が上がらなければ一向に気付けないので、管理者は定期的に代理打刻が行われていないか、監視カメラなどで確認することが求められます。
残業代の水増し
タイムカードの不正打刻で、残業代の水増しも多く見られます。残業代の水増しとは、退勤時にあえて打刻せずに時間が経ってから行うことで、あたかも残業したかのように欺くことです。
たとえば、18時に退勤したにもかかわらず、わざと遅らせて18時10分に打刻した場合は、記録上は10分残業したことになります。たかが10分と思うかもしれませんが、長期的に複数の従業員に不正が行われれば、数万から数十万円の被害になるので、絶対に放置しないようにしましょう。
真面目に残業している従業員にはしっかり報酬を払うべきですが、本来払う必要のないお金を不正をした従業員に渡す必要はありません。真面目に働いている従業員に示しがつかなくなるので、高頻度で残業している従業員がいれば、不正が行われていないか監視カメラなどでチェックしましょう。
残業記録の抹消による未払金の発生
管理者が不正を行うパターンに、残業記録を抹消して適正報酬を支払わないケースがあります。従業員が真面目に残業したにもかかわらず、残業代を支払いたくないがために、残業記録を改ざんする管理者がいるのも事実です。
また、証拠として残業の事実が記録に残らないように、管理者や上司から退勤時刻になったら打刻するように命令され、そのあと強制的に残業させられるケースも問題になっています。労働基準法第三十七条で、従業員が労働時間を延長し、又は休日出勤した場合に割増賃金を支払わなければならない旨が明記されているように、残業代未払いは違法です。
従業員の告発などにより残業代未払いが発覚した場合は、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金を課される可能性があります。不正打刻による残業代の水増しの場合は支払う必要はありませんが、実際に残業している場合は支払わなければ罪になるので、適正報酬を支払いましょう。
タイムカードの不正打刻が発生した場合の対応
タイムカードの不正打刻が発生した場合の対応について紹介します。仮に不正打刻が発生した際は、以下のような対応を取ることが重要です。
- 過剰に支払った給与の返金を求める
- 従業員に処分を与える
- 不正打刻が悪質な場合は懲戒解雇も
見て見ぬ振りは職場環境を悪化させる可能性が高いので、不正打刻を見つけた場合は迅速に対応しましょう。
過剰に支払った給与の返金を求める
従業員による不正があった場合は、過剰に支払った給与の返金を求めましょう。ただし、準備せずに不正を行った従業員に問い詰めても、ごまかされる可能性があります。解決が遅れてしまうので、まずは過去の不正の証拠を集めて、客観的に指摘できるようにすることが大切です。
不正の証拠を集めたら、過剰支給分の金額を計算し、返還請求する旨を該当従業員に伝えましょう。注意するだけで返還請求をしなければ、懲りずにまた同じように不正を行うかもしれません。どんな言い訳をしてきても、過剰に支払った給与は心を鬼にして回収しましょう。
従業員に処分を与える
返還請求は当然ですが、さらに不正をしたことを反省してもらうために、該当従業員に処分を与えることが大切です。不正打刻は法律違反なので、管理者には該当従業員を厳しく追求する権利があります。
従業員の不正に対する処分は就業規則に記されているので、その内容に沿って処分することになりますが、一般的には、降格もしくは減給処分を下すことになるでしょう。処罰することに対して心が痛む方もいるかもしれませんが、違法行為をした従業員を更生させるのも管理者の責任といえます。不正打刻は犯罪であることを強く認識してもらうために、厳正に処分を与えましょう。
不正打刻が悪質な場合は懲戒解雇も
以下のように不正打刻が悪質な場合は、懲戒解雇処分を下すことになるケースもあります。
意を持って水増し残業のための不正打刻をしている
長期にわたって不正打刻を行い、高額の報酬を得ている
過去に不正を行い、処分を下したにもかかわらず再度不正を働いている
重度の悪意を持って不正を働いている場合や厳重注意をしても聴く耳を持たない場合は、懲戒解雇ができる可能性があります。ただし、不正の度合いによっては不当解雇にあたる場合があるので、安易に懲戒解雇処分を下すのは控えましょう。
過度な懲罰は従業員との長期的なトラブルに発展する可能性が高いため、懲戒解雇が視野に入ったら一度弁護士など法律の専門家に相談することをおすすめします。
不正打刻を未然に防ぐには
不正打刻を未然に防ぐには、勤怠ルールを徹底することが大切です。出退勤する際に打刻することは当然ながら、不正打刻が発覚したときの処分内容について周知しましょう。過去の判例では、会社側が不正打刻に対する注意喚起を怠ったという理由で、懲戒解雇が不当解雇と判断されたケースがあるので、周知徹底が大切です。
また、不正打刻以外にタイムカードの打刻忘れや打刻ミスなどが発生する場合があるので、その場合の対処法も全従業員で共有しておきましょう。なお、それでも不正を働く人が現れる可能性があるので、不正防止機能が整った勤怠管理システムを導入すると、より効果的に対策ができます。
不正打刻を防止するスマレジ・タイムカードの機能
不正打刻対策として、スマレジが提供している勤怠管理システム「スマレジ・タイムカード」がおすすめです。ここでは、スマレジ・タイムカードの機能について紹介します。打刻をシステム化したい方は、ぜひ導入を検討してみてください。
スマレジ・タイムカードとは
スマレジ・タイムカードとは、クラウド型の勤怠管理システムで、ユニークな不正打刻防止機能が搭載されています。他にも給与計算や休暇管理、シフト管理、日報、プロジェクト管理など管理者の業務をオールインワンで解決してくれるサービスです。
近年、勤怠管理に対する法規制が厳しくなっていますが、定期的にアップデートして法改正に対応するため、法律に詳しくない方でも安心して利用できます。従業員30名までは、無料で利用できるプランもあるので、導入を前向きに検討してみてください。
機能1.位置情報の管理
GPSの追跡機能によって、従業員が打刻をした位置情報を管理できます。特に、直行直帰やリモートワークが中心の事業におすすめです。オフィス勤務の場合は、周囲の目があるため不正が発生しにくく、仮に不正があったとしても比較的気付きやすい傾向があります。
しかし、出勤先で仕事関係者が一人もいない業種の場合は、不正打刻が発生していても管理者はなかなか気付くことができません。たとえば、出勤の打刻はされているが、実はパチンコ屋にいたということもあるでしょう。
従業員の打刻時の位置を地図上でリアルタイムに確認できるので、管理者の目が届かない場所で従業員に働いてもらう場合でも不正抑止に効果的です。
機能2.打刻時のパスワード設定
打刻時のパスワードを設定することで、代理打刻を防止できます。従業員ごとにパスワードを振り分けることができ、本人しか打刻できないようにすることが可能です。パスワードを設定しなければ、アプリを開くだけで誰でも簡単に打刻できます。
そのため、代理打刻のハードルが下がり、悪意のある者によって利用される可能性が高いでしょう。パスワードを共有されると不正が可能になるので、定期的にパスワードを更新して、不正に対して意識が働いていることを従業員にアピールすることが大切です。
タイムカードの不正打刻は未然に防ぐことが重要
タイムカードによる不正打刻を防止するためには、具体的にどのような不正が行われるか想定した上で対策することが重要です。勤怠ルールを徹底することは大切ですが、それでも不正打刻が発生する可能性はあるので、勤怠管理システムの導入をおすすめします。
スマレジが提供している勤怠管理システム「スマレジ・タイムカード」は、不正打刻対策として効果的です。資料請求や無料オンライン相談も可能なので、興味のある方はお気軽にご連絡ください。
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